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第一次投票 推薦コメントのご紹介⑭

  • 執筆者の写真: 10代がえらぶ海外文学大賞実行スタッフ
    10代がえらぶ海外文学大賞実行スタッフ
  • 2 時間前
  • 読了時間: 12分


『ふしぎな鏡をさがせ』

キム・チェリン作、イ・ソヨン絵、カン・バンファ訳、小学館

巻頭についている「鏡シート」を使って、謎解きしたり、工作したりしながら読み進める、鏡のファンタジー物語。身近なのに不思議な「鏡」の謎を科学的にもアプローチしていて、とても面白いです。最後の「アナモルフォーシス」は、大人でも知らない鏡を使った画法で、簡単なのに驚きました。(無記名)



『中国のフェアリー・テール』

ローレンス・ハウスマン作、松岡享子訳、福音館書店

何を目指してどのように生きるべきか、人生の方向性と師を求めて真摯に歩みを進める、悩み多き日々に。短いけれど、奥の深い、美しい物語です。(無記名)



『アインシュタインをすくえ!』

コーネリア・フランツ作、若松宣子訳、文渓堂

タイムスリップものの読み物は数多くあると思うが豪華客船が舞台というのが良かった。豪華客船の構造がまるでダンジョンのようでもあり、何が起きるかわからないワクワク感で一気に読めました。10代前半から楽しめる作品だと思います。(無記名)



『折れざる槍』 ニコラ・グリフィス作、市田 泉訳、東京創元社

母と二人きり外界から隔絶された谷で育った少女ペレティルは、世界に自身を見出だすために旅に出る。ジェンダーの壁は軽々と飛びこえるけれど、自分が求めている居場所にはなかなかたどり着けない。それでも、ひたむきに突き進む折れざる槍。赤の騎士と対峙する場面は、ペレティルの恐怖が伝わってくるようでした。一味も二味も違うアーサー王伝説を堪能できる一冊。(実栞箱)



『レベッカの見上げた空』

マシュー・フォックス作、堀川志野舞訳、静山社

児童向けファンタジーですが、年齢を問わず、誰がいつ読んでも味わい深く感動的な作品だと思います。二人の少女の交流を軸に、母子家庭の日常、祖父との信頼関係、いじめっ子との駆け引きなどが丁寧に描かれます。シンプルな子ども同士の会話、言葉を探しながら思いを伝え合う家族の時間、考えぬいたり悩みと向き合ったりする心のうつろいが巧みな文章で表現されており、勇敢でひたむきな主人公に心を寄せながら読みました。(ぱじやま)



『山のバルナボ』

ディーノ・ブッツァーティ作、川端則子訳、山村浩二絵、岩波書店

前半と後半の切り替わりが印象深い一冊。前半に丁寧に描写される山の情景や森林警備隊の仲間との暮らしが効いて、山を降りた後の主人公の空虚な生活がひしひしと伝わってきます。とある事件により山を降りざるを得なくなり生まれてしまった負目と後悔。何かに熱中し諦めた経験、誰しも多かれ少なかれあるのではないでしょうか?トラウマを乗り越えようとする主人公の姿にいつしか自身を重ねて読んでしまう、そんな一冊です。(四方 実)



『ぼくのはじまったばかりの人生の たぶんわすれない日々』

イーサン・ロング作・絵、代田亜香子訳、鈴木出版

辛い内容の話だが、かわいらしいイラストが描かれているので重くなりすぎず、救いのある内容でよかった。高校生にも読んでもらいたいと思った。(ふじの)



『魔笛の調べ3 ハーメルンの子ども』

S・A・パトリック作、岩城義人訳、評論社

魔法使いやドラゴン、魔法の石などが登場する王道ファンタジーでありながら、笛を吹いて音楽を奏でることで、不思議な力を引き起こすという設定が新鮮でした。主人公のパッチはどちらかというと臆病な少年なのに、どんどん戦いに巻き込まれていき、最後には機転を利かせて、意外な方法で世界を救ってしまうところがおもしろかったです。(はいじ)



『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』

アグラヤ・ヴェテラニー作、松永美穂訳、河出書房新社

タイトルに惹かれて読みましたが、なかなか重たい話でした。10代といっても幅が広いですが、10代後半なら、読んでもらってもいいかなと思ったので、推薦してみました。(ひこうき雲)



『南光』

朱和之作、中村加代子訳、春秋社

今は外国である「台湾」が、日本の一部であった時代……。法政大学へ進学した鄧南光は、東京の地でライカ(カメラの一種)と出会い、街並みやモダンガールたちを写真に収める。やがて彼は台湾で自身の写真店も開くが、太平洋戦争と終戦、そのほか台湾で巻き起こる時代の荒波が彼にも近づく……。日本と台湾とのつながりを、南光という一人の人物史との絡まり合いから追体験できる歴史小説。写真、カメラ好きの人も面白く読めます!(denken)



『HUJAN 雨』

テレ リエ作、川名桂子・清岡ゆり訳、悠光堂

読んで良かったです。

Youtubeチャンネル出版区の(企画名)一万円あげたら何を買うので池澤春菜さん回で『HUJAN雨』を知りました。そのときの池澤さんの言葉で購入を決めすぐにジュンク堂へ行きました。たった一冊だけ棚さしされていました。(フレンチサラダ)



『楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集』

ルシア・ベルリン作、岸本佐知子訳、講談社

ルシア・ベルリンの三冊目の短編集。前作、前々作に負けず劣らず美味しい読書が楽しめる。どこから読んでもOK。二ページに満たない短い作品もあるけど味わいは変わらない。食べても食べても減らないアイスクリームカップのよう。(くぼたのぞみ)



『怪盗ギャンビット1 若き“天才泥棒”たち』

ケイヴィオン・ルイス作、廣瀬麻微訳、KADOKAWA

10代の若き怪盗が競い合う怪盗ギャンビットで、課題に取組むのに互いに協力することもあれば騙し騙される、スリリングで面白いエンタメ作品。続きが気になってページを捲る手が止まりませんでした。(まく)



『森に帰らなかったカラス』

ジーン・ウィリス作、山﨑美紀訳、徳間書店

自分の感情、相手の気持ちを大切にして、人とも生き物とも心を通わせる主人公の少年の姿にジーンときました。友だちも周りの大人たちもすてきです。(無記名)



『ぼくたちは宇宙のなかで』

カチャ・ベーレン作、こだまともこ訳、評論社

同じ作家の本が3冊立て続けに出版され、2冊目まではそうとは気がつかずに読み、ベーレン作とわかってからこれを読みました。デビュー作とのことですが、一番強烈な内容なのに一番身近な設定で、共感しました。(野垣のりえ)



『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』

リフアト・アルアライール編集、藤井光訳、岡真理監修、河出書房新社

痛みが、ずっとからだとこころに響いています。大人にも、こどもにも、いまの世界を生きるすべての人に読んでほしい。(yuri)



『エジプト人シヌヘ』

ミカ・ヴァルタリ作、セルボ貴子訳、菊川匡監修、みずいろブックス編集、静風社

いろんな要素盛りだくさんでとにかく面白い。私がこの作品を読んだのは30代でしたが、10代のときに読んでいたら、より一層壮大な冒険物語として楽しめたように思います。登場人物たちがいきいきとしていて、まるで本当にあったのではないかと好奇心をそそられます。(無記名)



『ぼくの中にある光』

カチャ・ベーレン作、原田勝訳、岩波書店

主人公は嵐のようなはげしい心をもつゾフィアと、やさしく消極的なトム。ふたりの主人公の1人称の語りが交互に繰り返され、それぞれの心の声が描かれる。どちらの章でもふたりの気持ちが伝わってきて胸が痛くなるほどだ。波の音、潮のにおい、水面のきらめきなど、海の描写もふたりの気持ちを代弁しているように思う。ふたりが少しずつおたがいを受け入れて成長していくすがたを、ベーレンさんの独特の文体でぜひ味わってほしい。(池本尚美)



『ラッキーボトル号の冒険』

クリス・ウォーメル作、柳井薫訳、徳間書店

ワクワクしました。(無記名)



『ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年』

ビヴァリー・ナイドゥー、野沢佳織訳、徳間書店

舞台は日本から遠いアフリカの国で、動乱の中で「ヒトを信用する」ことの難しさ、現代のフェイクな世の中にも通じる問題と思いました。(Meg.i)



『ルビーの一歩』

ルビー・ブリッジズ作、千葉茂樹訳、あすなろ書房

ルビーの自伝。1960年白人専用のが学校に初めての黒人生徒として入学した。警官が護衛しながら登校しなくてはならない状況は本書の写真で確かめてほしい。肌の色によって行く小学校も違っていたあのころ。多様性やダイバーシティが取りざたされる昨今。豊島区等では外国籍の児童生徒が10パーセントを超えたという。日本でも多国籍の人がいて当たり前になったが、果たして心のバリアフリーはすすんでいるか。よい本。(二井いりな)



『オラレ!タコスクィーン』

ジェニファー・トーレス作、おおつかのりこ訳、文研出版

冒頭から思わず笑いだしてしまう、ユーモアある語り口。

主人公はメキシコ系アメリカ人の少女。

パパはキッチンカーでタコス屋さんを営んでいる。そのタコスがおいしそう!

移民ならではの苦労も描かれているが、読んでいて元気になれるような物語。(武富博子)



『赤い小馬/銀の翼で スタインベック傑作選』

ジョン・スタインベック作、芹澤恵訳、光文社

スタインベックは『怒りの葡萄』が有名で、本校では教員が大恐慌時代の社会理解として生徒に読むように指導します。優れた短編を新しい訳で読む事のできる一冊としておすすめします。(無記名)



『アウシュヴィッツの小さな厩番』

ヘンリー・オースター (著), デクスター・フォード (著), 大沢 章子訳、新潮社

戦争のむごさを感じます。(M.yanagisawa)



『あいだのわたし』

ユリア・ラビノヴィチ作、細井直子訳、岩波書店

どうなるのか、読みながらハラハラした。(無記名)



『この村にとどまる』

マルコ・バルツァーノ作、関口英子訳、新潮社

戦争や政治により、自分の生まれ育った国や故郷から追われ、言葉さえも失ってしまう。今も世界中で起こっている無数の悲劇。それをある種淡々と、ひとりの女性の人生の背中を追いかけていくことで、今のわたしたちにも静かに確実に伝えてきてくれます。(古川耕)



『すばやい澄んだ叫び』

シヴォーン・ダウド作、宮坂宏美訳、東京創元社

家族の世話や誰にも言えない妊娠…若い主人公の肩にあまりにも多くのことがのしかかっているのが読んでいて苦しいですが、教会の話など、日本の本では扱われにくいテーマなので、翻訳の作品を読む意義を感じます。(M.A.)



『この銃弾を忘れない』

マイテ・カランサ作、宇野和美訳、徳間書店

内戦時代に実際にあった出来事をもとに書かれた作品なので大変勉強になりました。(ゆい)


『ヴィンデビー・パズル』

ロイス・ローリー作、島津やよい訳、新評論

本の表紙を開くとまず目に飛び込んできて、じーっと見ているとじわじわと心は太古の世界へひきこまれます。1952年にユトランド半島の沼地でみつかったミイラは、なんと2000年前に処刑された13歳の少女と判明。”この子はいったい誰?”、”少女の身になにがおきたの?!”

時間も空間も超えてぜひ古代ゲルマニアの世界へ行ってみてほしい!(Yuriko W.)



『ダンス・フレンド』

カミラ・チェスター作、櫛田理絵訳、早川世詩男絵、小峰書店

緘黙症の男の子の家の隣りに移民の女の子が越してきて、2人はダンスを通して親友になっていきます。

女の子にも秘密があって……

明るいタッチの絵がいいです。

緘黙症について改めて知りました。

子ども達に読んでほしいな。(無記名)



『ラッキーボトル号の冒険』

クリス・ウォーメル作、柳井薫訳、徳間書店

ロビンソン・クルーソーを読んだことがある人にはやっぱり刺さります!!(無記名)



『ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年』

ビヴァリー・ナイドゥー、野沢佳織訳、徳間書店 白人と黒人の共存に関して現代でも様々な問題や対策が講じられている南アフリカの作者ということで興味があった。10代向けの書籍ということだが中高年も読むべき1冊だと思わされた。(Shinichi)



『ぼくの中にある光』

カチャ・ベーレン作、原田勝訳、岩波書店

11歳の少女と少年が交互に語り手となって物語が進んでいく。親同士の結婚によってそれまでの生活が一変する2人。揺れ動く心が見事に描写されていて切ない。(無記名)



『ヴィンデビー・パズル』

ロイス・ローリー作、島津やよい訳、新評論

湿地帯で見つかった少女の遺体から生まれたストーリーに惹きこまれました。結末がわかっていながら、どうしても主人公の気持ちを押しとどめられない、自分の中の性差別への深い抵抗も感じました。本を開くと中世の空気、森や風の音が聞こえてくるようでした。(ヤマガラ)



『雪娘のアリアナ』

ソフィー・アンダーソン作、メリッサ・カストリヨン絵、長友恵子訳、小学館

作品中の雪景色が幻想的で美しく、その中でロシアの民話と、悩みを抱えた少女の現実がからみあっていくさまに惹きつけられました。ターシャの孤独が過酷な冬の情景と響き合いつつ迫り、春の訪れが人のぬくもりにもつながるラストには、雪娘との別れに伴う一抹の寂しさを覚えつつも心が温まりました。とても素敵な成長物語だと思います。(akao)


『ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年』

ビヴァリー・ナイドゥー、野沢佳織訳、徳間書店

『アンクル・トムの小屋』とならび、根強い黒人差別問題について理解するうえで必読の本だと思います。(塚越 幸祐)



『怪盗ギャンビット1 若き“天才泥棒”たち』

ケイヴィオン・ルイス作、廣瀬麻微訳、KADOKAWA 日本人のキャラクターが出てきて(しかも格好良い!)嬉しかったです。テンポが良く、映画になったら面白そう。(無記名)



『アウシュヴィッツの小さな厩番』

ヘンリー・オースター (著), デクスター・フォード (著), 大沢 章子訳、新潮社

想像を絶する過酷な世界に、ある日突然放り込まれた少年が、死と隣り合わせな日常を、強かに、また切ない思いをしながらも懸命に生き延びた物語。大人顔負けの冷静な判断と行動力を持って、決して生き続けることを諦めない姿に勇気付けられる。この話は決して過去のものではなく、多くの国々で今も同じような境遇にある幾千万の子供たちにも通じるものがあるはず。彼の物語を現代に引き寄せて世界を見る、そんな目を養えたらいい。(METO)



『この村にとどまる』

マルコ・バルツァーノ作、関口英子訳、新潮社 いまの日本に生きている子は、言葉の大切さを面と向かって親から聞かされることはないと思う。それは幸せなことかもしれないけど。ふだん当たり前に思っていることの価値に気づかせてくれる作品だと思う。母親が娘にあてて語りかける文体が沁みる。

カネを追求する権力者の影に無数の人の苦しみがあるのは現代もおなじ。若い読者にはフィクションを参考に現実を読みとく力も養ってほしい。(しばたろう)



『ぼくたちは宇宙のなかで』

カチャ・ベーレン作、こだまともこ訳、評論社

波がうねるような長い文章なのに、水が浸みこむように心にすとんと落ちてくる。家族という入れ物が、ガラスのように粉々に壊れてしまった後、ダイヤモンドのように再生する。自閉スペクトラムの弟が成長しセンダックの『かいじゅうたちのいるところ』の劇を演じるところは胸が熱くなりました。(そらはな)



『この銃弾を忘れない』

マイテ・カランサ作、宇野和美訳、徳間書店

スペインの内戦について知らなかったのでとても勉強になった(無記名)



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